AIを研究している黒川 伊保子さんの本「夫婦脳」「恋愛脳」(新潮文庫)の2冊には、男性と女性の脳の作りの違いが明確に書かれている。
この本を見ながら妻と議論を重ねた結果、様々なことが見えてきた。
本の内容は記載せずに、自分が感じたことだけを記載していく。
【男性の家事レベル・育児レベルが低い原因は、作業の認知の無さに尽きる】
例えば、会社の歓送迎会の幹事を上司から任された場合には、何をするか?
不慣れな社員が幹事をする場合には、
・お店の手配を行う ・参加人数を確定させる
これくらいはやるであろう。
慣れている先輩社員の様子を見ていると上記の二つに加えて
・歓迎者に対して、自己紹介の依頼を事前に行う。
・送別者が定年退職者であれば、プレゼントを用意する。
・乾杯の挨拶と締めの挨拶を事前に上司に依頼しておく。
・一次会会場から近い二次会会場を複数持ち合わせておく。
・二次会会場がカラオケであれば、盛り上がる曲を数曲用意しておく。
・・・・・
と人によって、幹事を任された時に準備できる範囲が異なってくるものだ。※普段、ここまではやりませんが。。
さて、これが家事になった場合、どうだろうか?
妻「料理お願いしていい?」
この言葉に対して、当初私がやっていたことは「料理を作る」だけで、後片付けも、皿洗いも、冷蔵庫の余り物を考慮するなど、色々なことが配慮できなかった。
当然である。そもそも男性の脳は、見える形にしなければ仕事として認識しないため、「料理お願い」であれば、「料理を作ること」しか頼まれていないと思い込んでしまう動物らしい。このタイミングで、女性は「なんでわからないんだ」と思わないでほしい。男の脳では、わからないのだ。
男性は、妻から料理を頼まれた場合には、下記のことを含めて、料理に着手してほしい。
・料理後の皿洗い、キッチンの台拭き ・排水溝掃除
・ゴミ箱が溢れそうであれば、ゴミ袋の取り替え
・調理で使った道具は、料理の完成後に自分で洗うようにする
・炊けているご飯の量を確認して、明日の朝ごはん用に米を研ぐ必要性の確認
・冷蔵庫の中身を把握して、賞味期限が近いものから料理を考える。また、料理に合わせて必要なものを買い足す。加えて、買い物に行く場合には、料理に必要なものだけではなく、日用品で不足したものをついでに買うようにする。
・食事をするテーブルが、片付いているのかを確認する
・・・・
っと色々記載してみたが、細かくて面倒だなと感じた男性は多いだろうし、全てを頼むのは申し訳ないと感じる女性も多いのではないか。
ただ、女性の脳は、上記の項目全てを毎日やるわけではないが、常に意識できる脳の構造となっている。そして、男性の脳は、意識出来ていない場合には「料理」という家事に対して、付随した仕事があると少しも考えられていない。そういう動物なのだ。
家事を一通りやってみると「名もなき家事」が非常に多いことに気がつく。
・トイレットペーパーがなくなりそうな場合に、取り替える
・食器を洗うようのスポンジの取り替え
・掃除機に入っているゴミを取り除き、ゴミ箱に捨てる
・子供用お出かけカバンにおむつのストックを増やす
・無くなったシャンプーボトルに詰め替え用を充填する
・・・・
書くとキリがない。しかし、この一覧を見て、男性はこれくらいなら余裕だときっと感じるかもしれない。実は、言葉に出していない小さい作業が溜まると結構な量になり、そして永遠に続くとなると、非常に作業ボリュームが多いことになる。これが意外にも大変なのである。大したことないのに、継続してみると飽きるし、それでもやらなければならないもの。
実際、「家事なんて大したことない」と二人暮らしが始まった当初は考えていた。しかし、子供を持って、共働きである妻と色々な議論をしてみると、結局は妻に負担をかけていたことに気づくことも出来なかった。
そもそも「名も無き家事」に気づいていないため、家事に対する仕事の量を男性側が正確に認識していない。実際、家事は忙しい仕事だ。
ただし、男性に認識してもらうために「名もなき家事」を1つ1つ書き出すことは避けた方がいい。何故なら、書き出せないほどたくさんあるからだ。そして、家事には正解がないため、どこまで実施するかは、夫婦によって異なる。
男性が認知したら、家事の議論が深まるだろうし、妻への労いの言葉が変わってくる。
「名もなき家事」の存在を男性が知らない場合には、話のネタにしてみるのも良いかもしれない。
2019-06-18 00:29:36 Thursday